浜町SCIコラム
レックス事件の東京高裁決定を読む(3)現レックスの主張
対して、MBOを行った側(アドバンテッジパートナーズと旧レックス経営陣)はどのような主張をしたのか。
ア 客観的価値が202,000円を超えていた可能性は皆無
旧レックスは、TOBの公表と同時に、業績予想下方修正の他、数々のマイナスの開示をした。
本MBOは、旧レックスの業績の急激な下降局面に、建て直し策として実行されたもの。
MBOなしには、旧レックスの経営は危機的な状況に陥っていたはず。
さらに、当時、新興市場株式は大幅な下落局面にあった。
イ 少数株主(抗告人)に対する反論
(ア) 「ファンド型」のMBOでは、TBO価格を低く抑える動機はない
本MBOは「ファンド型」のMBOであり、経営者が、不確実なMBO実施のために、TOB価格を低く抑える動機はない。
MBOが実施できず、株価が下落すれば、経営者の持株も減価するため。
(イ) 2006年8月21日の業績予想下方修正の客観性
当プレスりリースは、現況を淡々と伝えるもので、実態より悪く見せるものではない。
(ウ) 株価評価に、買取日より6-18か月前の市場株価を用いるのは不合理
旧レックスは2007年2月26日以降に業績が著しく悪化した。
その株価評価に、それ以前、しかも、買取日より6-18か月も前の市場株価を用いるのは不合理だ。
(エ) 買取日において、旧レックスの企業価値が増大する蓋然性はない。
・現レックスの経営状況は依然厳しい。
・アドバンテッジパートナーズは当初予定していなかった7億円を追加出資。
・経営者とファンドは、リスクを負担して経営改善に当たっている。
したがって、
・MBO実施により、企業価値が当然増大するとは見れない
・株式の客観的価値に、値上がりの期待権の価値を付加する状態にない
と主張。
総括すれば、
被告となった現レックスは、TOB価格は合理的なもので、業績予想下方修正のプレスリリースも淡々としたものと主張。
株価算定にあたっては、
・買取日よりかなり前の市場株価を用いるのは不合理
・買取日において、企業価値が増大する蓋然性はない
と主張したわけだ。
この記事は 2008 年 12 月 10 日 水曜日 8:02 PM に 企業 カテゴリーに公開されました。 この記事へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。