【輪郭】日銀のETF買いが示唆する投資戦略

中央銀行が歪める資産価格

日銀のETF買いの投資へのインプリケーションとは単純なものだ。
手前でメリットを得た分、将来つけを返すことになる。
手前でメリットを得た後となっては、つけだけが残される。
つまり、今後の長期リターンは押し下げられる。

モハメド・エラリアン氏の推奨を思い出そう。
中央銀行によって価格が歪められていない市場に投資しろ。
現金とオルタナティブがそれ、というものだった。

指数に採用されていない銘柄の出番

機関投資家ならともかく、個人投資家がオルタナティブというのも難しい。
上場株にとどまるなら、中央銀行によって価格が歪められていない銘柄に投資しろとなる。
つまり、株価指数に採用されていない銘柄だ。
こうした中から割安なものを探すことになる。

仮にそうした銘柄に投資した後に株価指数に採用されたなら、頃合いをみて売却すればよい。
指数採用や日銀ETF買いのメリットを享受して、その銘柄を去ればよい。
(もちろん、その後も持ち続けたければ、それも自由だ。)

まとめるとこうなる。

  • 株価指数に採用されていない銘柄
  • バリュー銘柄
  • 結果的に小型の優良株

山田泰史山田 泰史
横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部化学科卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

本コラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。本コラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。本コラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。本コラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。本コラムはコラムニストの見解・分析であって、浜町SCIの見解・分析ではありません。
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