【輪郭】笑いの消えた市場のゆくえ

今、世界経済をスクウェアに見て、弱気予想をはる必要があるだろうかと自問すれば、答はNoだろう。
市場参加者のほとんども同意するように思われるのに、多くの人は目下ダウンサイドの方をよりクローズアップしているようだ。

現状を弱気に見る要因とは何だろう。

  • FRBの金融引き締め意欲
  • 米市場が最高値を更新し続けている
  • 米景気拡大が9年目に入った

経済・市場が循環するとの経験則から言えば、確かにこうした要因は人々の不安感を掻き立てる。
筆者も、経済・市場は循環すると信じている。
しかし、こうした観点は、具体的に何か経済を停滞させるドライバーを示すものではない。
唯一FRBの金融引き締めは金利上昇を通して景気にマイナスとなりうるのだが、これはFRBが意図して取り去ることのできる要因だ。
そう考えると、上記3つの要因はいずれも決定的とはいえない。

タダ飯を食む罪悪感

たいした理屈もないのに市場参加者が不安感を持つのは、私たちがフリー・ランチを食べているような罪悪感を持っているためだろう。
リーマン危機後の経済回復・市場伸長の主役はどうしても金融緩和と考えざるを得ない。
これなくして回復・伸長はなかった。
もしも金融政策が打ち出の小槌なら、なぜ過去それに頼らなかったのか。
ランチはタダではないと考えるのが金融・投資におけるセオリーだ。

弱気派の予言は実現してしまうのか

弱気派・逆張りと称される人たちは、笑われながらも早くからこうしたリスクを警告し続けてきた。
実際のところ、過去においては彼らの主張には必ずしも十分な説得力が感じられなかったところもある。

ジム・ロジャース氏は債券の強気相場が終わり「FRBが金融緩和に回帰する」と予想した。
ピーター・シフ氏は米経済が実はそれほど強くないとして、市場が強気一色の中でも「FRBがQEを再開する」と予想し続けてきた。
マーク・ファーバー氏は、経済・市場のQE依存を指摘し、「QE4が近い」と予想。
結果的に「FRBはQE99まで実施し」資産バブルを膨張させた上で崩壊させると嘲っている。

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