【グラフ】日本株に割高感がないのは本当か?

毎度しつこいようだが、日本株の割高・割安について正確に把握しておきたい。
市場関係者がよく日本株には割高感がないとの発言をしているのを聞くが、これはややミスリーディングだ。

非常に単純に日本株のPERに言及して、割高感はまったくないという人がいる。
確かに日本株には割高感はないのだが、これだけだと聞く人に間違った行動を促しかねない。
ここではシラーのCAPEレシオで日米の株式市場を眺めてみよう。

米国株のシラーのCAPEレシオ
米国株のシラーのCAPEレシオ

再三紹介しているとおり、米国株のCAPEレシオ30.49というのは大恐慌直前とITバブルに次ぐ高さだ。
だからバブルだとか、だから暴落するとか言う話ではないが、極めて高い水準だ。
たとえば、典型的な強気派であるジェレミー・シーゲル教授でさえ、仮に暴落しなくとも、今後の運用リターンは低水準にとどまると考えている。
かなり高くなっているため、将来のリターンが抑えられてしまうのだ。
次に日本株を見よう。

東証一部の単純株価平均、PERとCAPEレシオ
東証一部の単純株価平均、PERとCAPEレシオ

1990頃のバブル期とサブプライム/リーマン危機あたり山があることがわかる。
(後者はITバブル後のEPS低下の影響が大きかった。)
近時をもう少し詳しく見てみよう。

東証一部の単純株価平均、PERとCAPEレシオ(近時)
東証一部の単純株価平均、PERとCAPEレシオ(近時)

日本株の足元のCAPEレシオは21.7倍。
これを高いと見るかどうかは主観にもよるだろう。
判断基準は、EPSの方向性、金利、リスク・プレミアムと多岐にわたる。
ただし、日本株について米国株と明らかに異なる点がある。
それは、EPSの方向性と安定性である。

(次ページ: 日米のインフレ調整済みEPS)