浜町SCIコラム

心無い株主がガバナンスを悪化させる

世の中には、アクティビスト・ファンドを悪く言う経営者が多いが、個人株主に対してはどうだろう。
おそらく、経営者は個人株主を馬鹿にしているのだろう。

その原因は、個人株主の側にもある。
投資先のIR担当に電話をかけてきて、ひどくレベルの低い質問・要求をする株主がいる。
株主総会での行儀の悪さは誰もが目にするところだろう。

本日の日本経済新聞企業面では、NTTドコモの株主総会でのひとコマが紹介されている。
ある個人株主から、

株価下落の損失を補うため金庫株を1口座(株主)あたり3株ずつ割り当てる「動議」が出された

という。
さすがに、これは採決に至らなかったらしい。
そもそも、会社の正味財産が株主の保有する株式の価値の総額なのだから、金庫株を割り当てても損失補てんにはならない。
この「動議」では、人頭あたりの割り当てを要求しており、これは、株数を多く持つ者から少なく持つ者への財産の移転を狙ったものである。
このような詐欺まがいの「動議」が出されてしまうほど、株主総会のレベルは低い。

低い個人株主のレベルに企業側は笑っているだろう。
レベルが低くなれば低くなるほど、何を言われても一蹴する「言い訳」がたやすく見つかるからだ。
弊害もないとは言わないが、やはり、アメリカのように、年金基金やミューチュアルファンドがアクティビストとして働くことが最も効率的なのではないか。
取締役・監査役の選任が株主総会で行われる以上、企業のガバナンスのレベルを高めるのは株主の役割。
株主は企業にとってお客さんではない。
礼節のある態度、正しい根拠に基づく、断固たる意思表示を期待したい。


この記事は 2009 年 6 月 20 日 土曜日 11:40 AM に コーポレートガバナンス カテゴリーに公開されました。 この記事へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。

コメントは受け付けていません。