浜町SCIコラム

火に油を注いだセブン―イレブン・ジャパンの15%損失補てん

セブンーイレブン・ジャパンが実社会で「炎上」している。
22日、フランチャイジーによる「見切り販売」を不当に制限したとして公正取引委員会から独占禁止法違反(優越的地位の乱用)で排除措置命令を受けていた。

フランチャイザー(セブンーイレブン・ジャパン)側の
 見切り販売は価格競争や売り上げ低下を招く
という主張は不可解だ。
いや、表面的にはその通りなのかも知れない。
しかし、フランチャイジーの利益に目を向けた場合、結論は全く逆になるのかも知れない。
価格競争が進んでも、売上が低下しても、「見切り販売」した方が、フランチャイジーの利益になるかもとは、フランチャイザーは考えないのだろうか。

火に油を注いだのは23日の発表。
売れ残った弁当類の廃棄損失の15%分をフランチャイザーが負担すると発表したのだ。
「見切り販売」を防ぐことで、弁当類の品ぞろえ、仕入れを維持させたいというもの。
これによるフランチャイザーの負担は年間100億円程度という。

はたから見ていても、このようなスジはいかがなものか。
廃棄損の僅か1割5分を出すから値下げ販売するなというわけだ。
この議論には2つの側面があったと思うが、フランチャイザー側はそれに十分に答えていないように思う。

まず1点は、フランチャイズのコミュニティが系全体として豊かになれるかという議論だ。
フランチャイズのように、任意に拡大・縮小する経済主体というのは、そのエコノミクスの優劣によって繁栄の可否が決まるといってもよい。
具体的に言うと、フランチャイザーとフランチャイジーの利益の相反がなく、両社の業績の向上が同時になしうるルールかどうかということだ。
これが現状は実現していない。
しかも、残念ながら、15%ほどの損失補てんでは、問題は解決しない。
仮に、100%損失補てんすれば、フランチャイザーとフランチャイジーの利益相反はなくなるかも知れない。
しかし、そうはならない。
そうすれば利益相反はなくなるものの、確実にフランチャイザーがより多くの損失を被るからだ。

次の1点は、この議論には、ビジネスの側面以外の「思い」がこめられているということ。
日本人が尊び、世界にも知られた「もったいない」という美徳が問われてしまっているからだ。
これは、金勘定では解決できない課題であり、大切なポイントだ。

仮にセブンーイレブン・ジャパンが、
 消費期限切れの弁当類は15%で買い戻す
 買い戻した弁当類は効率的に再利用する(バイオマス等)
と言っていたなら、ここまでの「炎上」はなかったのではないか。
まあ、難しいけどね。

カテゴリー: プレスリリースより
この記事は 2009 年 6 月 24 日 水曜日 8:13 AM に プレスリリースより カテゴリーに公開されました。 この記事へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。

コメントは受け付けていません。