浜町SCIコラム

経常赤字が危惧される日本の国際収支

5月17日の日本経済新聞に日本の経常収支が2010年代半ばに赤字に転じるリスクについて書かれていた。
日本国債の市場に大きな影響を与える事象だけに、注目が集まっているのだろう。

実は日本経済新聞の前にも、12日の朝日新聞でも同じテーマについて論じられている。

急激な円高が続けば、日本のものづくりは海外移転が加速しかねない。
そうなれば、日本からの輸出が減ってしまい、貿易収支が赤字になる可能性もある。

との見方だ。
貿易赤字を所得収支で補えなくなれば、経常赤字の危険性は高まる。
それが2010年代半ばに起こるなら、日本の国債、金利に大きな変化をもたらす。

HSCIでは、これまでも再三、国債バブルについて論じてきた
世間でなされている、日本国債が暴落しない理由は、おおよそ次の3つだろう:
 1) 日本の高い貯蓄率と莫大な投資資金
 2) 日本のデフレ
 3) 日本の投資家の円投資への選好

これまで、日本は高い貯蓄率を背景に、国全体で見ても貯蓄超過の状態が続いた。
 国全体の貯蓄超過 = 貿易黒字
だから、裏側から見れば、これが経常黒字のドライブになっていたことになる。
ここで、経常赤字になるとはどういうことか。
日本人が(全体として)貯蓄を崩して消費に回すということだ。
つまり、1)の前提が崩れることになる。
そうなれば、日本国債には売り圧力がかかる。

いったん国債が売られれば、円金利は上昇する。
金利上昇は企業などのコストとなって、インフレを誘発するかも知れない。
そうなれば、2)の前提も崩れる。

また、投資家は円への投資一辺倒の姿勢を見直すだろう。
結果、3)の前提まで崩れてしまうかもしれない。

国の経常赤字がいつ起こるかは、見極めは難しい。
しかし、外国為替、貿易収支や所得収支を注意しておけば、全く晴天の霹靂というわけでもないだろう。
あと数年で起こるというエコノミストが複数いる。
投資家は、市場のタイミングを測ることが必要ではないか。

カテゴリー: 経済

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この記事は 2010 年 5 月 18 日 火曜日 3:23 PM に 経済 カテゴリーに公開されました。 この記事へのコメントは RSS 2.0 フィードで購読することができます。 現在コメント、トラックバックともに受け付けておりません。

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