マネタイゼーション, monetization

1.資産を現金化すること。
2.貨幣を発行すること。
3.中央銀行が国債を引受け、政府の財政赤字を埋めること。

3については、中央銀行が国債を引受ける意味だが、その源資として中央銀行が通貨を増発することを想定している。
つまり、増発した通貨を財政支出にあてるということ。

財政法第5条は

すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。
但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。

と定められており、日銀による国債の引受けは

原則禁止、ただし例外あり

とのルールであることになる。

日銀「教えて!にちぎん」では、その理由を

中央銀行がいったん国債の引受けによって政府への資金供与を始めると、その国の政府の財政節度を失わせ、ひいては中央銀行通貨の増発に歯止めが掛らなくなり、悪性のインフレーションを引き起こすおそれがあるからです。
そうなると、その国の通貨や経済運営そのものに対する国内外からの信頼も失われてしまいます。
これは長い歴史から得られた貴重な経験であり、わが国だけでなく先進各国で中央銀行による国債引受けが制度的に禁止されているのもこのためです。

と述べられている。

2年ほど前から高橋是清待望論が盛り上がっている。
「日本のケインズ」とも称される高橋是清は、1931年、犬養内閣において自身4度目の蔵相に就任した。
そこで、金輸出再禁止(金本位制から離脱)、マネタイゼーション(軍事予算増額)など、リフレーションを実行した(「高橋財政」)。
結果、日本は世界恐慌の中で、最も早い不況からの脱出を遂げた。

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