第三者割当増資の乱用防止のための規制強化へ

法務省が、第三者割当増資の乱用防止のため、規制強化の検討に入ったと、日本経済新聞が報じている。
また、検討の端緒についたばかりだが、早期に法制化が実現することを願いたい。

第三者割当増資の是非については、以前から、日本国内の野放図な状況に警鐘を鳴らす向きがあった。
当コラムでは、その論点整理についても紹介してきた。
経営者にとっては、都合よく企業の支配者を変えうるツールだが、行きすぎれば、むろん、株主権を侵害してしまう。

海外の法規制を見ても、日本より厳しいルールが存在する。
 ・NY証取では、議決権20%超の新株発行は、株主総会決議を義務付けている。
 ・ドイツでは、10%以下の新株発行ならば、株主総会の事前承認・監査役会の承認で可能。
 ・英国の会社法では、第三者割当を行う場合、原則、既存株主も新株引受権を得る。
フリーハンドに近い日本と比べると、いかにリズナブルな規制が講じられているかがわかる。

資金調達としての第三者割当をすべて悪とは思わない。
しかし、多くの場合、その取引と同時に、支配権のバランス変化が起こる。
そのような場合は、株主に諮るのは当然のことだろう。
ルールの有無によらず、そうするのが、経営者の見識と言うべきではないか。
それができない経営者が増えるから、悲しいかな、規制という手段が必要になってしまう。