世論により成り立った泡沫政権は世論により滅ぶ

先の民主党代表選挙で菅首相が勝ったとき、小沢候補への世論・マスメディアの批判はすさまじかった。
党員・サポーター票と議員票の差をとらえて、民意と議員の感覚の違いが甚だしいと嘆く人もいた。

菅政権は世論によって出来た政権だ。
その政権が大きく揺らいでいる。
内閣と世論の意識の差はあまりにも大きい。
これで、この内閣は終わる。

いきなり刑事罰はいかがか

内閣は国家公務員法(守秘義務)違反での刑事罰を是としているようだ。
しかし、これはバランスを欠いている
いきなり刑事罰とはどういうことか。

難しい法律用語はわからないが、とにかく世間の言葉でいう機密を漏洩したことは事実だ。
機密にあたるかという議論がされており、それはありうる議論だろうが、その前に組織のルールがあるはずだ。
まずは、海保の中で処分があるべきではないのか。
その処分がなされた後で、不足とするなら刑事罰に処せばよい。
組織内での処分が十分に社会的な制裁となるならそこで終わる話だ。
組織で処分を受けた段階で、世論に刑事罰を問えば、圧倒的に否とする意見になるのではないか。
だから、今は「処分保留で釈放」し、海保に処分を任せばよい。
それならバランスはよい。

一連の問題は、本質的な問題とテクニカルな問題が混濁して議論されてしまっている。
・ビデオが流出したことはよかった。
・流出させたことは組織のルール違反だ。
この2つの論点について、十分に分けて考えることが大切だろう。

そもそも、本質とテクニックを混濁したのは内閣だ。
中国漁船衝突事件を外交問題と定義せず、検察に責任転嫁した内閣の責任である。

役人から見放される内閣

結果的に、内閣が海保職員に罪を犯させてしまったことになる。
内閣の罪は思い。
内閣は行政府の頭脳、その頭脳が手足から信任を失っている。
政治主導といいながら、そのあり方は役人への責任転嫁。
社会党の宰相を支える社会党の弁護士長官とは、いいわけだけが仕事のようだ。

仕分けは国会に委ねよ

事業仕分けをも危うい岐路に立っている。
初めこそ、意識の低い官僚を切って捨てる姿が大うけしたが、現在はそうでもなくなってきた。
仕分けする方は本当に仕分けされる側より優れているのか。
その保証はどこにもない。
パッと出の議員や政権に近い学者らが、スタンドプレーまがいに傲慢な議論を押し通している面がないとは言えない。
プライドばかり高い官僚が、必要以上に敵意を持つ理由の一つになっている。

自民党幹事長が、仕分けを国会で行おうと提言したことは、まことに結構なことである。
民主党が私的にやる仕分けだから、権威もないし、強制力もない。
国会全体の叡智を使って仕分けを行い、強制力を持たせることが大切なのではないか。

事業仕分けは画期的な出来事だった。
これを失うことがあってはならない。

密室、不作為、無責任の内閣

小沢氏が国会で説明しないことも大きな問題となっている。
確かにおかしい。
裁判が始まるから、偽証罪で揚げ足取りをされる恐れはわかる。
証人喚問はどうかと思うが、政治倫理審査会での説明はあってしかるべきだ。

小沢氏は応じる様子が無い。
政権は小沢氏を応じさせる力も無い。
政治生命も最後に近づいた氏であるが、最後まで何かを考えているようだ。
いずれにせよ、小沢氏とその親派に対して指導力を発揮できない政権とは何なのだろう。
果たして、政権党の政権と言えるのだろうか。

補正予算の行方が怪しくなってきた。
力不足の補正予算とは言え、遅れるのは不利益だ。
レイム・ダックには早急に退席願いたい。