3か月前の予言は当たったか? – 小沢新党の成否

本コラムはもともと投資・経済を中心としたコラムだったが、政治に関する記事で大きな反響のあったものもいくつかある。
9月の民主党代表選挙直後に12月政局を予言した記事だ。

この記事は当時、世論に照らしてかなりのマイノリティの記事であった。
予言が的中したとは言わないまでも、世間の論調は日に日に近いものになっていく。
それもそのはず。
なんということはない。
菅執行部の無能ぶりがとまらないからだ。

小沢包囲網

9月の記事の後、ひとつのだけ予想外だったことが起こった。
検察審査会による起訴議決だ。
検察の不祥事などを考えれば、強制起訴までの決断はなされないと予想していた。
しかし、なにやら微妙なタイミングで密室において、ひどく偏った平均年齢の集団により、たいへんな議決がなされてしまった。

小沢氏へのリンチは収まらない。
誰よりも政治資金について精緻に公表してきたがため、また、集金力に優れていたがために、政治資金報告書をもとに執拗にバッシングを受け続ける。
・検察からの捜査
・再三にわたる検察審査会の議決
・繰り返される形だけの検察による捜査
・裁判
・国会 政治倫理審査会への出席要請
これを乗り越えても、さらに
・国会 参考人招致
・国会 証人喚問
とリンチは継続するのだろう。
その度に、言論による「暴力装置」である大手マスメディアが囃し立てる。

対処を一任された岡田幹事長ですら、どこで線を引くかについて何の展望も持たず、ただただ、政治倫理審査会への出席を請うている始末だ。
リンチの世界に一事不再理はないようだ。

鳩山元首相が動けば新党に弾み

小沢グループが鳩山グループと近づいている。
この動きは何を示すものだろう。
9月の記事10月の記事でも述べたが、現下の歪められた世論のもとでは、早急な小沢氏の復活は望みにくい。
年齢的なものもあり、小沢氏の表立った政治生命は終焉となる可能性が高い。
子分たちはうろたえる。
小沢グループに人材は少ない。
次には誰に仕えればいいのか。
そこで、鳩山元首相への期待が強まる。
子分たちは新たな(出来れば傀儡の)親分を切望している。

鳩山元首相は民主党を捨てられるのか。
自ら作り、自らの巨万の富を投じてきた民主党。
小沢氏とともにとは言え、政権奪取したのは自分だ。
死に体の小沢氏のために、丹精こめて育ててきた民主党を捨てられるのか。

仮に鳩山元首相が民主党を捨てられるなら、展望は見やすい。
原口元大臣あたりを党首、鳩山元首相をオーナーとして、新党を設立することになろう。
そのタイム・リミットは今月12月だ。

小沢氏のカード

なぜ、小沢氏は政治倫理審査会に出ないのか。
事実関係を考えれば、国会で説明したところで、問題となるようなことはないはずだ。
もちろん、終わりのないリンチに辟易していることはあろうが、それにしても小沢氏の拒絶はかたくなだ。
どう考えても、使いどころを見ているとしか思えない。
一番大切なところで、国会での説明のカードを使いたいのだろう。
そして「一番大切なところ」というのは、現民主党のためのシチュエーションではない。
党内野党としての小沢グループ、または新党のために使うタイミングを待っているのだ。

菅執行部はダラダラしているが強行だ。
ダラダラしているのは、タイム・リミットである今月12月に離党されるのを恐れているのだろう。
強行なのは、菅執行部の無能なメンバーをかばうためだろう。
来年度予算を考えれば、何かスケープゴートが要る。
本来は内閣改造だろうが、それを回避するために小沢氏をスケープゴートにしたい。

新党と政界再編の可能性

小沢氏は党内にとどまると言っているようだ。
「最後の御奉公」のためには、新党でやり直すのは時間がかかりすぎる。
一方、もう少し若い世代は異なるかも知れない。
小沢自由党は42名で結党し、初めての国政選挙には(保守党の離脱があり)18名で臨んだ。
次の選挙はつらい思いをするだろうが、20名も要ればやり直しがつくと考える人も多いかも知れない。
鳩山元首相が動くなら、なおさらモメンタムがつく。

小沢グループが抜けた後の民主党が自民党と協力したとしても、それは一時的なものとならざるを得ない。
本予算が成立すれば、ただちに解散総選挙となろう。
政界再編は、その選挙で一度確定する。

小沢氏は一度身を引くとよい

政治家として、小沢氏というタレントを失うのは残念だが、そろそろ小沢氏は身を引いた方がよい。
一度、選挙を休んで、公判に集中したらどうか。
公判で身奇麗にした後、再度チャンスをうかがう可能性もゼロではなかろう。
このままの状態を続けても、氏自身も理解しているように、表舞台には立ちにくいはずだ。

筆者の望む年末以降の動き:
・小沢氏、離党
・小沢グループが20名程度で新党結成、小沢氏は参加せず
・小沢氏が政治倫理審査会に出席
・小沢氏が公判に集中するため議員辞職
・民主・自民の協力で本予算成立
・総選挙 → 政界再編
・一審後、小沢氏復帰

さてさて、これは実現するだろうか。