Bitcoin:盗難の発生、そして大きすぎる裁定の幅

transaction malleabilityと呼ばれる脆弱性を突かれて主要市場が引き出し停止に陥ったビットコイン。
今度は同じ脆弱性のために、ビットコインが盗まれる事件が起きた。

NBC Newsによれば、オンライン闇市Silk Road 2がビットコインの盗難に見舞われたという。
Silk Roadは違法取引を行っていたとして、FBIにより閉鎖させられていた。
FBIはその際、大量のビットコインを押収していた。
Silk Roadは再立ち上げされたが、すぐさま今回の盗難に合った。
4,500ビットコインが盗まれ、250万ドルに相当するという。
同サイトは再び存続の危機にあるようだ。

少々気になる現象がある。
主要市場の一つ、Mt. Goxでの今日のビットコインは350ドル程度で取引されている。
しかし、Bitstampでは600ドル強で取引されているのである。
この両市場は現在、ビットコインの引き出しが停止されている。

キプロスが経済危機に陥った時、収拾のためにキプロス内の資金の持ち出しが厳しく規制された。
結果、国内のユーロはキプロス・ユーロと呼ばれ、ユーロより価値を下げた。
統一通貨が、持ち出し規制によって一価でなくなった瞬間だった。
皮肉にも、その規制を回避するためにビットコインが使われることもあった。
ビットコインはこういう使い方を指し示し「自由を謳歌」したのである。

現在、規制ではなく技術的な問題によってビットコインに「持ち出し規制」がかかっている。
これによって、ビットコイン相場には大きな乖離が出ている。
ボラティリティの高い資産クラスだから、乖離も生半可ではない。
不安感の大きな市場で価値は大きく下げているのだろうから、Mt. Goxのビットコイン投資家の方がBitstampよりも事態を深刻にうけとめているということを暗示している。

それにしても倍近い乖離は大きくないか。
両市場は現時点ではビットコインの引き出しを停止している。
しかし、各国通貨での引き出しは可能と主張されている。
ならば、そのルートを通してある程度の裁定が働いてもいいはずだ。
倍近い乖離はやや大きすぎないか。

裁定が働くための条件は、いつかビットコインの引き出しが復帰すること。
その前提を揺るがすほどの不安が投資家の間に広がっているのかもしれない。