優先順位を知らない政権(2)方向感の喪失

敵よりも遠めの味方につらくあたるのは左翼出身者の特質かもしれない。
そう考えれば、小沢氏は義理を軽んじる左派と組んだことに、さぞかし後悔しているのではないか。

小沢氏は間違いなく現在の政界での悪役No.1だろう。
かつての盟友の多くが、小沢氏と袂を分かってきており、現在の小沢グループは数ばかり、人材が少なくなった。
これは小沢氏の性格・行動によるものもあるのかも知れないが、小沢氏が20年余りの間、権力の中枢に関わってきたことに起因するところも大きいのではないか。
この20年余りの間、氏がずっと一兵卒だったら、敵もずっと少なかったろう。

この小沢氏の苦悩を現政権もようやく身にしみているかも知れない。
現内閣・現民主党執行部は野党に転落したほうが幸せなのではないか。
野党になれば本領発揮、再び元気に遠吠えを始めるような気がしてならない。
残念ではあるが、それが器だったように思う。
早期に野党と話し合い、本予算と引き換えに解散を願いたい

9月の民主党代表選挙では、下馬評よりはるかに多く小沢氏が党員・サポーター票を集めた。
ポイントこそ菅首相249ポイント、小沢氏51ポイントと菅首相の圧勝だったが、投票総数では3:2の差にとどまった
この投票総数は、投票の4日前の9月10日、HSCIが予想していた通りの数字だった。
悪役No.1のはずの小沢氏が、与党の党員・サポーターの4割の指示を受けたことは驚くべきことではないか。

それから3か月あまり、絶えることのない小沢バッシングで、さぞかし小沢人気は低下しただろう。
日本経済新聞による12月20・21日のクイックVoteの結果が興味深い。
「小沢氏の国会招致拒否をどうみますか」との問いに、実に36.7%もの回答者が「理解できる」と答えている。
その理由は「裁判で決着を」というものが多かったようだ。
現在でも1/3以上の人たちが小沢氏に有利な選択肢を選ぶところが驚きだ。
小沢人気の根強さなのか、回答者たちの冷静さなのか。

先に、筆者は小沢氏は国会で説明して身を引くべき現政権は退陣すべきと述べた。
しかし、先の展望が見えない。
もっとも、展望が見えるぐらいなら、小沢氏のことだから、さっさと新党を作るなりしているのだろう。

日本の政治はあまりにも小沢氏を悪役にしすぎたのではないか。
田中派の本流を進んだ小沢氏の時代は終わった
それは同時に政界の強力な接着剤を失うこととなった。
民主党が、小沢氏を冷遇するほどに、国民新党や社民党は離れていく。
かつての仲間だった自公も、あまりにも反小沢に舵を切ったために、政権奪還の糸口を摘んでしまったようなところがある。

政治家がクリーンなことは結構なことだが、クリーンなだけで政治家になられても困る。
憎まれることを恐れず国を束ねる政治家が求められているが、与党にも野党にも、その気概のある人材が見当たらないのが残念だ。

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