ジム・ロジャーズ:遅くとも2016年には流動性収縮に

冒険投資家ジム・ロジャーズ氏が日本経済新聞のインタビューに応じた。
記事のタイトルも「マネー収縮に備えを」というもの。

流動性の収縮が始まる


最重要の発言は来年以降の米国を中心とする市場の見通し。
各国の量的緩和であふれている流動性が収縮に転じると予想した:

『人為的な流動性の海』が来年のどこか、遅くとも2016年には収縮し始める。
これが今年までとの最大の違いだ。
・・・
(米国のQEからの出口政策は)来年以降の世界経済最大のリスクだ。
米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き上げ、世界の市場が荒れるかもしれない。
問題はその結果、FRBが批判にさらされた場合の対応だ。
イエレン議長が再び緩和に戻ったら、市場には『最後はFRBが助けてくれる』という風潮が生じ、投機に拍車がかかる。

つまり、荒れた市場またはバブル的環境の両極端が予想されている。
米国や世界はリーマン危機前より債務を拡大させており、次のバブル崩壊は大きなインパクトになるという。
ロジャーズ氏はハイイールド債を割高と見て「売り始めた」という。

地域別見通し

日本 1-2年は楽観、長期は悲観
ロシア 「来年屈指の投資対象になる」
中国 問題はあるが克服できる
「公害対策、ヘルスケア、農業、鉄道」など政府が力を入れている分野の株を買っている
インドネシア、トルコ 構造改革を怠ったため「マネーは逃げていく」

日本は当面アベノミクスの恩恵を受けるが、将来は「大惨事」という。
「私が仮に20歳以下の日本人なら国を出ていくだろう」というほどの悲観ぶりは従来どおり。

格差問題

世界中を駆けてきたロジャーズ氏だけに、その言葉には重みがある。

私は何度も世界を旅して経済の現場を見てきた。
格差は間違いなくあるが、歴史的に見ると縮小している。
今問題になっているのは、目に見えるからだ。

これは一面の真実だろう。
特に四半世紀超のホライズンで発展途上国を見れば正しいのではないか。
一方、先進国を10-20年ほどのホライズンで見れば、格差が拡大したところも多いように思う。

ロジャーズ氏は格差問題への処方箋として市場主義を挙げる。

最もうまくいったのが市場主義だった。
中国は市場を使って大量の貧困層の生活水準を引き上げた。
自由で開かれた市場に問題がないとは言わないが、今のところ最善の策だと思う。

どうやらこのあたりは他に選択肢がないといったニュアンスがにじむ。
ここで考えなければならないことが2つ。

  • 自由主義経済を標榜する日米欧の経済政策は「自由で開かれた市場」に資するものか。
  • 自由主義経済を標榜する国々で格差が拡大してしまったらどうすればいいか。

格差問題の根は深い。

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