米国が仕掛ける仁義なきサイバー戦争

シュピーゲル紙がマルウェアの一種「Regin」について伝えている。
Reginとは昨年11月頃からその存在が注目されるようになった高度なマルウェアである。

悪名高いウィルスは米国政府製

Reginは長期間にわたってPCに身を潜め、PC内のデータを盗む。
ITセキュリティ各社は、このマルウェアが極めて高度なものと指摘してきた。
そのReginについて、独シュピーゲルは何を伝えたのか。

数週間前、シュピーゲルはQWERTYのコード・ネームで知られる米NSAのマルウェア・プログラムのソース・コードを掲載した。
今回、世界中で無数のサイバー攻撃に使われている悪名高いトロイの木馬ウィルス「Regin」がQWERTYであると専門家が結論した。

シュピーゲルはQWERTYのソース・コードを元NSA職員スノーデン容疑者から直接入手している。
そのコードとReginのコードの一部が一致しているというのだ。
記事では両方を左右に並べて、その一致の様子を示している。

Five Eyesの暗躍

独紙がこれを報じるのは、いうまでもなく米国による過度な諜報活動への非難のためだ。
スノーデン容疑者が暴露した情報の中には、米国が独メルケル首相の電話を盗聴をしているというものもあった。
米国はFive Eyesと呼ばれる諜報活動についての秘密条約を結んでいる。
米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドによる協定で、諜報活動の果実を共有するほか、5か国間では互いにスパイ活動を行わないとの約束が含まれている。
ドイツは西側諸国・NATOの有力メンバーであり、米国のパートナーではあるが、Five Eyesのメンバーではなく、首相が盗聴されてしまった。
この事実にドイツ人は大きな怒りを感じていたのである。

今回のReginについても、ドイツ人は米国の関与を疑っている。
シュピーゲルはReginによるサイバー攻撃にFive Eyesが関与していると示唆する。
サイバー攻撃の対象がFive Eyesの監視対象と一致しているとも指摘している。

国益のためならなんでもする国

サイバー攻撃と言えば、米国は何かにつけて中国、ロシア、北朝鮮などを犯人と名指しして非難してきた。
しかも、さしたる根拠もなしにだ。
北朝鮮を犯人とした時など、同様にソース・コードに共通性があるからというのが根拠だった。
しかし、その後、そのコード部分はウィルスにしばしば使われるモジュールにすぎないとの指摘がなされた。
その後、米メディアはロシア犯人説を流布している。
米国の政府やメディアに共通するのは、誤った独善である。

ドイツが監視されているならば、日本も例外ではないだろう。
米国とは、こういう背信行為かつ犯罪行為を行う国家である。
国益のためと言えば聞こえがいいが、その内容は、人間が最も尊重すべき信頼というものを踏みにじるものでしかない。

世界には想像もつかないほど野蛮で低俗なならず者がいる。
そのような輩とくらべれば、米国国内ははるかにましな社会だ。
しかし、その米国が他国に無人機を飛ばし爆撃をする。
時には誤爆して民間人を大量に殺す。
真珠湾などくらべものにならない蛮行だ。

日本が国益を守るためには日米同盟は必要だ。
しかし、それは正義のためではない。
米国という国際社会にはびこるやくざの庇護を受けざるをえないためだ。

意図して飛び込んだのかという疑問

安倍首相がエジプトで行ったスピーチで、

地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。

と語ったことが首相官邸のウェブサイトで開示されている。
首相は2億ドルを人道援助のためと主張しているが、この文面からそれを読み取るのは不可能だ。
少なくとも、ISILの反対側についたという表明は明確に含まれている。

官邸は首相のエジプト訪問前から誘拐問題への対処を始めていたというから、意図的に発言したものかもしれない。
世界中が一致して憎む組織を相手にして、あえて国際紛争の当事者になろうとしたのかもしれない。
やくざが悪魔を退治するのを正当化したかったのかもしれない。