【輪郭】ジャパン・プレミアムと2枚のババ

日本勢のドル調達に事実上のジャパン・プレミアムが課せられているとReutersが報じている。
世界の終わりと騒ぐことではないが、ついに来たかと心配になった。

金利のダブル・スタンダード

浜町SCIでは、日本の財政リスクが拡大すると、どこかでバリュエーションのベースとなる金利が国債利回りから乖離すると予想してきた。
今回、それが米ドルで発生したことになる。
以前述べたとおり、日銀が買い支えている資産クラスではこの現象は起こらない。
日銀をもってしても米ドルのインターバンク市場を支えることはできない。
結果、邦銀のドル調達にプレミアムが要求されることとなった。

3か月もので48bpもの上乗せ金利の理由

このプレミアムが小さくない。

足元ではドル/円スワップ3カ月物のスプレッドが金利差から48ベーシスポイント(bp)以上もかい離し、日本勢のドル調達には「ジャパン・プレミアム」とも呼べる上乗せ金利が要求されている。
5年物のドル/円ベーシススワップでは、昨年半ばからマイナスかい離が拡大し、現在は74bp付近と2年ぶりのドル調達コスト高となっている。

「2年ぶりのドル調達コスト高」というのは、出来上がりのドル調達金利。
プレミアム部分で言えば1997-2000年の金融危機前後以来。
そこで、Reutersは理由をこう説明している。

当時は邦銀のクレジットリスクが原因だったが、現在はQQEを背景とする円過剰やソブリンリスクが背景となっている。  

理由は2つあると言うことだ。
 ・円資金の過剰
 ・ソブリン・リスク
前者について理解しておこう。

何が起こったか

日本勢の盛んな対ドル資産投資がこの状況を生み出している。
日本勢が海外ドル資産に投資する場合、一定の為替ヘッジがなされる。
(もちろん、全くヘッジしないこともあるが、一部だ。)
円投ドル転で投資すれば、為替リスクをもろにかぶってしまう。
そこで、資金の全部または一部をドルで調達することになる。
「通常、為替スワップ取引などで円を貸す見返りにドルを借り入れるオペレーションを行う」のである。

目下の旺盛な円貸し・ドル借りが資金の均衡を崩している。
国内に投資先がないから海外に投資しようとしている。
つまり、円の資金需要は細い。
細いところに貸そうとするから、円で貸す方の金利は低くなる。
それが、ドル/円スワップの上乗せを生む。

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