バーゼル新規制は金利上昇に追い込むか

バーゼル銀行監督委員会が、銀行の金利リスクについての新規制案をまとめ公表した。
各国の国債需給に影響を及ぼしうる大きな新規制だ。

(抄・意訳)

これは特に、各国での超低金利環境では重要だ。
ここでは2案を提示する:
 (i) 最低資本金アプローチ
 (ii) 開示義務と金融監督によるアプローチ

金利リスクの計算法に標準が定められることで、銀行間の比較がしやすくなる。
明確な一歩前進と言える。
では、これが、何に影響を及ぼすか。

銀行が国債を保有しにくくなる

なんと言っても、国債など債券保有に影響を及ぼそう。
銀行が中長期の債券を買った場合、(i)資本の積み増しを義務付けられるか、(ii)金利リスクの開示を求められることになる。

固定金利の住宅ローンの金利上昇

同じことは固定金利の住宅ローンにも言える。
銀行がこれを回避するためには、取り組んだ住宅ローンを第3者に真正売買することになる。
MBS投資家の投資意欲が十分にあるなら、これはうまくいくかもしれない。
とは言え、資産を売却すれば若干のコスト要因となるし、貸出金利の若干の上昇を招くかもしれない。

インフラ等プロジェクト・ローン

インフラ投資などに充てられるプロジェクト・ローンもデュレーションの長い貸出債権だ。
こうした債権についても金利上昇圧力になる可能性がある。
この分野でもCLO等のしくみは存在するが、最終投資家の幅はそう広くないかもしれない。

Reuters記事では

形式的には両論併記だが、将来的には監督対応(訳注:(ii)のこと)で決着する可能性が高まったとみられている

と観測している。
各国の現状を考えればやむを得ないのだろう。
なんでもかんでもキャピタル・チャージを課すと言うのもどうかと思うが、金融システムにリスクが増えるのに開示・監督だけで済ますと言うのも不安が残る。
それに、そもそもこのリスク、最も抱えているのは各国中央銀行かもしれない。