モハメド・エラリアン:過剰なボラティリティが将来を暗くする

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏がBloombergに寄稿し、ボラティリティを注視すべきと説いた。
エラリアン氏は各国中銀の金融政策が発散する点を大きなリスク要因と指摘している。

エラリアン氏は金融政策の2つの兆候を示す:

  • 上出来の雇用統計とFRB高官の発言から、米国が12月に利上げに踏み切る可能性が大きく上昇した。
  • ECBは逆に量的緩和政策を拡大する見込みが高まり、これには量的緩和の実施期間延長も含まれる。

この両極端により、市場はセオリー通りに動いたとエラリアン氏は解説する。
ドル高ユーロ安と長期金利差拡大である。
一方、米国株については以前から織り込みが進んでおり、恐怖指数の上昇などは見られなかった。

エラリアン氏は、今後のボラティリティに注意すべきとし、「ボラタイルなボラティリティ」を懸念している。

過剰なボラティリティは、「金融抑圧」により成長を生み出そうという各国中銀の手法を脅かし、一時的で苦戦している流動性に支えられた経済成長が本当の成長に変化するのを妨げる。

エラリアン氏は、こうした過剰なボラティリティ発生を避けるために、議会が経済政策への責任を果たさなければならない説く。

  • インフラ投資を含む成長のための構造改革
  • (拡張的でやったふりでない)責任ある財政政策
  • (学生ローン市場を含む)壊滅的な過剰債務に対処するための財源確保・開拓

こうした具体策まで示していながら、エラリアン氏は「これが実現する確率は極めて低い」と結んでいる。
それだけ難しいテーマと言うことか、米政治の勢力地図を指してのことか、米政治家のレベルを踏まえてのことか。
理由は書かれていない。
日本の状況は米国よりさらに悪いことを忘れてはいけないだろう。

最近、ボラティリティを議論する記事が米メディアで目につく。
なかなか具体的に捉えにくいこともあり、日本でのボラティリティへの注目度は米国でほど高くない。
米国での注目度を見ると、日本でももう少し目を向けるといいことがあるのかもしれない。