ローレンス・サマーズ:FRBの利上げは頓挫する

ローレンス・サマーズ元財務長官(現ハーバード大学教授)はBloombergで、経済・市場のダウンサイド・リスクが増大していると警告した。
FRBが示唆した今年4回の利上げは難しい状況にあると語った。

サマーズ氏はFRBがもくろむ4回の利上げが難しいとし、市場も同意見だと語る。

政策決定者がすべきことは、さらなる悪化シナリオに対する保険を考えておくことだ。

FRBが最悪の事態にも対応できるようしておくべきとの提言だ。
サマーズ氏は今後2年ほど、重大なリスクが存在するという。
このため、財政政策を含めた備えが必要という。

サマーズ氏は、中国経済の減速がもたらす波及効果を重大視する。

中国は極めて本質的な変革を試みており、経済減速が広がり悪化している。
うまくいっても、銅・鉄鉱石などコモディティの需要は格段に減少することになる。

話が需要サイドに及んだところで、伝家の宝刀「趨勢的停滞論」の話になる。
サマーズ氏は、先進国の多くが趨勢的な需要不足と供給過剰に苦しむことになると予想する。
これだけ聞けば、さほど目新しいことがないように聞こえてしまう。
しかし、サマーズ氏の指摘は、はるかに深刻な可能性を示唆している。
それは、「趨勢的停滞」の意味である。

サマーズ氏は、低位に落ち着いてしまった実質金利を傍証に挙げる。
これを単にリーマン危機の後遺症と見るのか、それとも新たな時代を指し示すものか。
この新たな時代こそが、サマーズ氏の言う「趨勢的停滞」なのである。
日本では原語「secular stagnation」を「長期停滞」と訳すが、「長期」では本当のニュアンスは伝わらない。
「secular stagnation」とは、長期的に停滞するというより、停滞が普通のこととなるといった意味なのである。