ガンドラック:トランプ指名で世界経済はパニックに

新債券王ことDoubleLine CapitalのJeffrey Gundlach氏は、ドナルド・トランプ氏が米大統領選の共和党候補に指名されれば、世界経済がパニックを起こすと懸念している。
トランプ候補躍進を許した一因は、米政府が他国の通貨安政策に毅然とした態度を取らないためだと指摘した。

ガンドラック氏は、まだトランプ氏指名が決まったわけではないとしながら、「しばらく架空の話を楽しめばいい」と思考実験を披露した。1)
ドナルド・トランプ氏が共和党候補となれば、夏の終わり頃までに世界は経済成長パニックに陥るという。
ガンドラック氏が問題視するのは、世界経済にマイナスとなる保護主義である。

「彼が指名を受けると、市場や投資家の懸念が増す。
地政学的リスクによって、世界経済は下方修正される。
こうしたことをリスク管理に勘案しなければいけない。」

ガンドラック氏は、トランプ氏が台頭したわけを解説する。
他国の通貨安誘導が米経済を損ない米雇用に負担をかけているのに、米政府が何もしていないためだとし、毅然とした態度で当たるべきと主張している。

リスク資産の上値は重い

今月のFOMCで見せたFRBのハト派的な姿勢は米国株市場を上昇させた。
ガンドラック氏は、米国株の上昇が今後も原油を牽引すると予想する。
こうした見方をしながらも、原油が45ドルまで上げるのには山あり谷ありだろうという。
ガンドラック氏の予想どおり40ドルまで簡単に上昇した分、リスク資産のこれから先のリスク・リターンはひどく不利になっているからだ。
また、ジャンク債について、この水準では買えないと語った。

中央銀行は誰のもの

ガンドラック氏はFRBのガイダンスのあり方を批判している。
利上げについて「過去数か月、バカみたいに右往左往している」からだ。
FRBが市場からあるガイダンスを得ているのは明らかという。
そのガイダンスとは

「S&P 500指数が2,100を打てば引き締める。
1,900に下げれば緩和する。」

なんと痛切な皮肉だろう。
これが真実とは思わないが、仮にそうなら、中央銀行は実体経済のしもべでなく資本市場の太鼓持ちということになる。

(出典)
1) Fortune (2016/3/21), 「Bond Guru Says Trump Nomination Could Bring Down World Economy」, http://fortune.com/2016/03/21/donald-trump-gundlach/ (参照3/22/2016)