ローレンス・サマーズ:コイン敗れてもチェーンあり

先月末、ローレンス・サマーズ元財務長官(ハーバード大学 元学長・現教授)が仮想通貨ビット・コイン関連企業のシニア・アドバイザーに就任した。
しかし、サマーズ氏が注目しているのは実はビットコインではなく、その要素技術のほうらしいのだ。

このニュースが報じられた後、サマーズ氏は講演で「ブロックチェーンは金融取引・為替を大きく変える」と語っている。1)
ブロックチェーンとは、ビットコインが初めて導入した、仮想通貨の信頼性を確保するための分散型ネットワーク技術だ。
これだけを見ると、サマーズ氏がビットコインに注目しているように見える。
ところが、サマーズ氏の話はこれで終わらない。
サマーズは

「現在から40年後、ブロックチェーンやそれに追随するものが、ビットコインよりも注目されていくだろう。」

と語っているのだ。
つまり、ビットコインの中核技術は残るが、ビットコインについてはわからないと言っているのだ。

こうした少々弱気の態度に対し、サマーズ氏がシニア・アドバイザーに就任したDigital Currency Groupのメディア子会社CoinDeskの報道が面白い。
この報道によると、サマーズ氏はこう語ったという。2)

「ブロックチェーン技術が本質的なものか?
答は、大いにYesとなるだろう。
ビットコインは、金と同じように、価値の保存手段として貴重なものか?
わからない。
しかし、私は『答は明確にNoだ』というのは適切ではないと思う。」

ビットコイン関連企業のシニア・アドバイザーという立場に配慮した発言だ。
それでも精一杯信念を語ったサマーズ氏に対し、ビットコイン関連企業の思い。
現実はどちらに寄っていくのだろう。

(出典)
1) CNBC (5/4/2016), 「Larry Summers: ‘Overwhelmingly likely’ this will change finance forever」, http://www.cnbc.com/2016/05/04/larry-summers-overwhelmingly-likely-this-will-change-finance-forever.html (参照5/15/2016)
2) CoinDesk (5/3/2016), 「Larry Summers: Blockchain Can Succeed Without Bitcoin」, http://www.coindesk.com/larry-summers-us-treasury-blockchain-can-succeed-without-bitcoin/ (参照5/15/2016)