エラリアン:英EU残留でも問題は解決しない

独Allianz首席経済アドバイザーMohamed El-Erian氏が、Brexit回避はスタート地点にすぎないと語った。
政策決定者がEU残留に安住すれば、ナショナリズム台頭は止まず、事態は悪化に向かうだろうと警告している。

エラリアン氏は、Brexitに対して強い危機感を示している。
「もしもBrexitとなれば、金融・経済の不安定に加えて、制度上の不安定を来しうる。そして、すぐに分岐点に突き当たるだろう」という。
エラリアン氏は、以前から、世界が今後3年のうちに「分岐点」に差し掛かると主張していた。
分かれ道の行き先は成長か、バブル崩壊かである。
ファンダメンタルズと金融市場の間の乖離が拡大すれば、どちらかあるいは両方がサヤ寄せせざるをえない。

仮に、EU残留となっても、懸念が晴れるわけではない。
エラリアン氏は、残留が決まって、英国やEUから危機感が失われることを危惧する。

「皆が、今何かをやらないと悪いことが起こると認識することだ。
私の希望は、経済成長に戻り、経済的な『スプートニクの瞬間』に至ることだ。」

ソビエト連邦は1957年、世界初の人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功した。
これに危機感を持った米国は、宇宙開発の強化を進めていった。
英国やEUが危機感を失わないよう、「スプートニクの瞬間」が必要だとエラリアン氏は主張している。

破綻を逃れるためには、EUの4つの統合(金融、銀行監督、財政、政治統合)を進める必要があるという。
しかし、今は1つ半(金融が完成、銀行監督が道半ば)しか実現していない。
政治家にその必要性を自覚させるには「ある種の危機が必要」であり、それこそ、同氏の言う「スプートニクの瞬間」なのだ。