ガンドラック:安全資産と死に銭

新債券王ことDoubleLine CapitalのJeffrey Gundlach氏が、潜在的リスクが山積する中での投資戦略を語っている。
米国株の脆弱さを指摘し、安全資産の選び方を説いている。

Brexitは何かの始まりにすぎない

ガンドラック氏は、Brexitの影響は極めて大きいと警戒する。
貿易相手国の英国・EUが変調すれば、リスクは貿易にとどまらないという。

「何かの始まりとなるリスクがあり、株式にはさらにダウンサイドが増す。
何かの終わりではない。
本当に本当のリスクだ。」

ガンドラック氏は、英国のエスタブリッシュメントが国民投票をやり直せと言い出すのがワースト・シナリオなのだという。
投票は投票であり、一度決めたことを覆そうとすれば暴動が起こりかねないという。
人々は、いい仕事が豊富にあった旧き良き時代に戻りたいと願い、それがEU批判に向かう。
しかし、実際のところは、仕事を奪ったのはEUではなくロボットだという。
供給サイドは人手を必要としなくなり、他方の需要増は高齢化のため期待できない。

ガンドラック氏は、米大統領選でのドナルド・トランプ候補の躍進がBrexitと同根と考えている。
そして、トランプ勝利と予想しており、そうなれば軍拡や壁の建設で財政赤字が拡大するだろうという。

「そうなれば、短期的には経済成長が高まる。
おそらく、皆が考えているほど恐ろしいことではない。」

企業収益への過信

ガンドラック氏は目下、極めて保守的な運用方針を採っている。
S&P 500は19か月前と同水準だが、企業収益の見通しから考えれば、これは受け入れることのできない水準だという。

「市場は2017年の企業収益の伸びを15%と見ている。
しかし、GDPの伸びが賃金の伸びより小さいとすれば、どこの世界にそんな利益成長がありうるのか。
利ザヤは圧縮されるはずだ。」

世界の株式市場が総崩れの中、米国株は最後の生き残りだ。
ガンドラック氏は、株価指数が史上最高値を更新する度にさらに買いを煽る市場関係者について、あからさまに不快感を示した。
小さな上げ余地を狙うために、大きな下げを食らって恥をかくのはまっぴらだという。

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