ゴールドマン・サックス:資産を分散せず現金を分散しろ

ゴールドマン・サックスが、株式・債券などに極めて弱気のスタンスを示した。
株式も債券も下落リスクが大きく、現金をもって通貨を分散しろと推奨した。

市場の回復は一時的

ゴールドマンはBrexit後の市場の混乱が収拾しつつある状況を次のように解説する:

「利回りの追求が再開した一因は、市場がBrexitを

  • 地域の経済成長によくないショック(主に英国とEUに影響する)
  • 世界の金利にいいショック(G7の中央銀行が金融緩和を強化する)

と解釈したからだ。」

つまり、市場がBrexitというリスクを乗り越えたのではなく、金融緩和という痛み止めをあてにして戻ったという見方だ。
極度の金融緩和環境においては、追加緩和の副作用が大きくなっているから、なるべく早く緩和を巻き戻す必要がある。
その時までに本質的なリスクへの備えができていなければ元の木阿弥だ。
ゴールドマンはこの点を言いたいのであろう。

株も債券も下げのリスク

さらに、リスクはBrexitだけではない。

「中央銀行の期待はずれ、インフレの上昇、経済統計のサプライズ、流動性枯渇などがあれば、債券は急落しうる。
これらは、株式ほかのリスク資産についても少なくとも初期には下げ要因となる。
株式は、経済成長が期待はずれとなるサプライズで売られうる。
債券利回りが史上最低であることを考えれば、債券がいいリスク・ヘッジになるとは考えにくい。」

ゴールドマンは、株式と債券という代表的な資産クラスの両方が割高になっていると主張しているのだ。

ポートフォリオ分散が効かない

本来なら、補完的な関係にあってもいい株式・債券が両方とも割高になっている。
これは、資産運用において極めて難しい問題を投げかける。

このような状況は、リターンがすでに限定的である中、分散の不可能化とポートフォリオのリスクの上昇を意味する。

多くの著名な投資家が嘆いているように、伝統的な資産クラス間の相関に変化が見える。
以前なら、株式と債券を両方持てば、ある程度の分散・リスク回避に役立った。
しかし、ゴールドマンのいうように株式も債券も下げの可能性が高いのなら、組み合わせる意味がなくなってしまう。

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