【グラフ】日本株CAPEが役に立たないワケ

されどCAPE

日本株のCAPEでは、分子(株価)だけでなく分母(損益)もとても強く効いている。
そうなると、CAPEの有効性は半減してしまう。
そう思いながら、近時のCAPEを見てみると、ことが単純でないことが見えてくる。

東証一部のCAPE(近時)

日本のCAPEが20倍近辺まで上がってきたのだ。
20倍は日本株としてはむしろ低い水準なのだが、割安ともいいがたい。
特に底を打って上がりつつあることに警戒すべきかもしれない。

ただし、過度に心配してはいけない。
今後数年、リーマン危機後の赤字基調の期間が計算期間から外れるから、CAPEには低下圧力が働きやすい。

日本株CAPEは低い水準にあっても、ある日突然、損益が崩れることで上昇するかもしれない。
いや、あるいはCAPEが上昇しないように、素直に株価が下げてしまうのかもしれない。
近年は金融環境の大きな変化にあっても比較的安定しているように見える。
結局のところ、今後のポイントは
・金融政策の変化がこれを変えるのか
・企業収益は改善するのか
にあるようだ。


山田泰史山田 泰史
横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部化学科卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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