オリンパスの決算修正に見る危うさ

オリンパスが14日、過年度の決算修正と第2四半期決算を開示し、本日説明会を行った。
第2四半期末の純資産は459億円となった。

次は無い決算修正

オリンパスは約1か月という短期間でこの修正作業を終わらせた。
これを受けて、東証はオリンパスを監理銘柄(確認中)指定から外した。
ただし、監理銘柄(審査中)指定は継続し、今後は特設注意市場銘柄に指定することを検討している様子。

オリンパスの粉飾は過去20年にわたるものだ。
それをたった1か月で修正して見せた。
むろん20年分のすべてを修正する必要はなかったのだろうが、少なくとも5年分は修正を行っている。
過去と現在の監査法人はこの修正された決算に適正意見を付与した。

突貫工事で作られたこの決算は本当に正しいのか。
素朴な疑問として、こんな命題が投資家の頭をよぎる。
次はもうない。

無形固定資産残高はいまだ1,888億円と高水準

第2四半期末のバランスシートには無形固定資産が1,888億円と記されている。
この無形固定資産1,888億円の資産性は適正に見直されているのか。
ここには2つのレベルがあろう。
「正しく」と「厳しく」の2つだ。
粉飾企業に対して、今、投資家が知りたいのは、
 会計基準に合っているのか
ではなく、
 真実の時価としてその価値があるのか
であろう。

純資産459億円に対して無形固定資産1,888億円。
この無形固定資産の「時価」にもしも含み損があれば、オリンパスはさらに債務超過に近づく。

第三者割当増資の妨げとなる現経営陣の居座り

オリンパスを継続させるには資本の注入が望ましい。
筆者は以前、官製ファンドの活躍を期待したこともあった。
しかし、現経営陣が居座っていることは、そのような施策の妨げとなるかも知れない。

オリンパスの不正経理を糾弾したウッドフォード氏が、第三者割当増資を懸念しているという。
会社の信用が損なわれ、市場株価も下落している現在、第三者が増資に応じる価格条件はどんどん有利になっていく。
第三者割当増資が行われれば、現株主の議決権は大きく希薄化されるだろう。
そうなれば、委任状合戦を挑もうとしているウッドフォード氏が株主総会で勝利を収める可能性は低くなる。
これは氏にとって都合が悪い。

臨時株主総会が3-4月というのは遅すぎる

ウッドフォード氏が第三者割当増資を懸念するのは、臨時株主総会の時期に一因があろう。
決算が修正できた今、すぐにでも臨時株主総会を招集すれば、1月にでも新たな体制で再出発できる。
それをしないのは、現経営陣に友好的な新株主との交渉を進めようという意図の現われではないか。
今から新株主がデューディリジェンスをすれば、3-4月というのはぴったりのタイミングだ。

本来なら増資は望ましいことだ。
しかし、それが現経営陣の居座りとセットであるから懸念の対象となる。

第3の選択肢を望む

ウッドフォード氏が日本企業の中でたった一人、会社の不正と戦い暴いたことには深く頭が下がる。
ただし、筆者の思いはその尊敬の念とは相容れない部分がある。
ウッドフォード氏は立派な人物だと思うが、新生オリンパスの経営を任すのに適任かどうかは別の話だ。

再度、言おう。
オリンパスが官製ファンドと話合っていることを望む。
官製ファンドから出資を受け、官製ファンドが指名する立派な経営者が新生オリンパスを経営していくことを。
現経営陣でもなく、ウッドフォード氏でもなく、第3の選択肢が提示されることを願おう。