アナリストが時価評価凍結に待った

日本証券アナリスト協会が12月2日、証券アナリストへのアンケート結果をリリースした。
金融資産の時価評価についてのアンケートだ。
それによれば、

証券アナリストは金融資産の時価会計を支持、
金融危機を理由にした会計基準変更の行き過ぎを警戒

しているという。
当然のことだ。

時価評価凍結論者の論拠は主に2つ:
 (1) 時価評価が、経済の振幅を過度に増幅する
 (2) そもそも、時価が経済合理性を離れた価格にある
なるほどと感じるところもあるが、だから時価会計を歪める理由となるようには思えない。

(1)の指摘には、真実の部分が大きい。
確かに、時価評価をタイムリーに行えば、経済の調整がスピーディに進み、結果、アンダーシュートを引き起こすこともあるだろう。
しかし、それが適切な情報を適時に開示するものである限り、やむをえないと考えるべきではないか。
真実を覆い隠して調整のスピードを鈍らせることが正義であるのか、根源的な問いがそこにある。

(2)の指摘は、そもそも時価が適切なものではないのだという指摘であり、これも事実だろう。
しかし、それではベストエフォートはどこにあるのか。
時価評価替えをする前の古い簿価がより適切であるというのか。
最近、米国のシティグループが追加で公的資金を申請する直前、シティの信用不安を煽る出来事があった。
シティが時価会計を一部凍結したところ、投資家からの信認を失い、それが公的資金申請の一因となったというのだ。
仮に財務会計上、時価会計を凍結したところで、投資家は、財務会計に適切な補正を加えて財務内容を見ることになる。
その背景には、
 たとえ、今の時価が真実ではなくとも、簿価を据え置くよりは時価の方が真実に近い
というような信念がある。

金融機関や金融当局は、このようなアンケートを真摯に受け止めてほしい。