日本産業、ものづくりの国際競争力とは

民主党中心に行われた事業仕分けでは、その結果に対してノーベル賞受賞科学者が苦言を呈する一幕もあった。
ノーベル賞学者らの言うことも分かるが、それが無益な聖域を生むことがあるのも事実だ。

科学技術予算の削減に対して、ノーベル賞学者らが危機感を持つのはもっとだ。
全体の予算が削減されれば、広く、科学研究・科学者の質が低下する危険がある。
しかし、一方で、国の科学技術予算で研究をしている科学者の質は、すべてがノーベル賞学者らが許容しているようなレベルでもあるまい。
資質に劣る科学者・予算まで温存するべきかというところに、事業仕分けの意図があったはずだ。

ものづくりを念頭に置いたとき、日本の産業の国際競争力とはどの程度のものだろう。
よく、
 日本はものづくりの国
というような声を耳にするが、本当にそうだろうか。
これを、ものづくり人材の
 ・相対: コスト・パフォーマンス
 ・絶対: パフォーマンス
から見てみよう。

まずは、コスト・パフォーマンス。
日本人のコストは高い。
中国や東南アジアの人件費から比べて、恐ろしく高い。
だから、日本の製造業が海外に出て行く。
つまり、日本人のコスト・パフォーマンスは国際比較で低いと考えたよい。

では、絶対的なパフォーマンスはどうだろう。
日本人と外国人を比べたとき、コストの観点を除けば、日本人に軍配が上がるだろうか。
たとえば、中国人やインド人ならどうだろう。
日本人と競争している中国人、インド人は、彼らの莫大な人口ピラミッドの上澄みを形成している層である。
日本人と比べて、優るとも劣らないと考える方が自然ではないか。

結局、日本のものづくり人材の国際競争力は、それほど高くないのかも知れない。
そのような現実に立ったとき、国家戦略はどうあるべきか。
キャッチアップのために、教育に力を入れるのか。
国の産業をサービス業へと、大きく舵を切るのか。
今の与党に、それについての具体像が見えないのが不安だ。

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