【お知らせ】物価連動債の流通利回り推計方法の変更

2013年2月度の物価連動債流通利回りの推計より、推計方法を変更しました。
データは過去に遡及して変更しています。

変更の内容

物価連動債は長くデフレが続いたこともあり、投資家の需要が乏しかった。
市場の厚みも生まれず、発行を停止することとなった。
そのような状況の中、イールド・カーブを描こうとすると、著しくいびつなものとなるのが現実だった。
そこで、HSCIでは、イールド・カーブを全銘柄(16回)の単回帰分析で推計していた。
つまり、1次近似(直線近似)であった。

最近、インフレ期待が高まるにつれ、物価連動債への関心が高まっている。
そんな理由もあってか、この近似方法が必ずしも適当でないように思われるようなデータ・ポイントの並びが増えてきている。
そこで、推計方法を改めることとした。
具体的には、各期間の近傍(前後1年)のデータのみをサンプルとして単回帰分析し、各期間の推計値とすることとした。

なお、早ければ今年にも新たな商品性(元本保証など)の物価連動債の発行が検討されている。
新たな銘柄が加わる場合には、状況に応じて再び推計方法を検討する予定だ。

推計の結果

実質金利、名目金利、ブレーク・イーブン・インフレ率(期間5年)

2月の物価連動債(残存5年)の利回りは大きく下落し、BEIは大きく上昇した。
この推計ですでに1.3%にまで上昇している。
要因としては、
 日銀の新体制がデフレ脱却に大胆な手を打つ期待
 消費税率引き上げを資本市場が織り込み始めた
などが考えられよう。

イールド・カーブとBEI

2013年2月末の名目・実質イールド・カーブとBEI

少々驚いたのはBEIの曲線の形だ。
単に右肩上がりというのではなく、上に弧を描いている。
これは、意外と早くインフレ率が高まることを意味しているのかも知れない。
推計方法に変更を加えたこともあり、少しの間様子を見たい。
断言はできないが、インフレは近いという心積もりは必要かも知れない。