キプロス:この社会実験に学ぼう

キプロス共和国は総面積9,251平方キロ(171位)、人口115万人(160位)の小国だ。
面積は四国の半分、人口は石川県ほどということになる。

この小国の危機がユーロ全体を揺らしている。
最も大きな要因は、トロイカ(EU、ECB、IMF)がベイル・アウトではなくベイル・インを強いたことにある。
キプロスの銀行がロシアなどから巨額の預金を受け入れ、マネーロンダリングや脱税の温床となっていたことに対応したものだ。
これ自体は理解できるが、波及効果は大きかった。
キプロスに関係ない資産家まで、自分の現預金の置き場所がなくなったと感じたようだ。

驚いたのは、今後の金融規制だ。
日経新聞によれば

現金の引き出しを1日当たり300ユーロとし、国外送金も厳しく制限する。
・・・
1000ユーロ以上の現金の持ち出しが禁止される。

という。
まるで戦後日本の預金封鎖ではないか。

さらに驚くのはロイター報道だ。

キプロス国内のユーロがその他ユーロと異なる為替レートを持ち始める事態も予想される。

国内の「キプロス・ユーロ」の海外への支払が規制されるため、キプロス・ユーロの価値は「非キプロス・ユーロ」よりも低くなるはずだとの指摘だ。
もはやEUの大きな柱である通貨統合がほころんだとも取れる話だ。

キプロスは小国ゆえ救うのは難しくない。
その意味で、世界にとって得がたい「壮大な社会実験」なのではないか。
私たちはキプロスからより多くの教訓を学ぶべきだ。
もはやベイル・インはタブーではなくなっている。