SiC(シリコンカーバイド)半導体

電気自動車・ハイブリッドカー向けのように大電流かつ高温での動作が可能となるため期待されている。
すでに産業用のダイオードに応用されている(米国Cree社やドイツSiCED社のSBD)。

交流の電力変換に用いられるインバータのコストを低減するには、小型化が大きく寄与する。
そのためにはデバイスに実装されるチップの小型化が重要だ。
しかし、変換する電力量が大きい場合、チップ面積を小さくすると発熱も大きくなってしまう。
この発熱の原因の主なものは
・オン損失:オン抵抗(電流が流れたときの抵抗値)が小さいほど挿入損失が小さくなる。
・スイッチング損失:トランジスタがオンからオフへ、あるいはオフからオンへ遷移したときに
 発生する損失で、スイッチングが高速になるほどスイッチング損失は小さくなる。

SiCは低オン抵抗・高速動作が可能なため、電力量の多い分野での応用が期待されている。
また、SiCは200度以上の高温環境下でも動作が可能である。
(自動車のエンジンルーム等では160度を超える動作温度が要求される)

SiC半導体は、Si半導体と同じように熱酸化により酸化絶縁膜を形成するMOS型デバイスであり、温度上昇によりオン抵抗が上昇してしまう。
高温動作を実現するには、高温でもオン抵抗が小さい素子の開発が必要になる。

そのほか、
・結晶成長が難しい(液相が存在しない)
・高速動作によるノイズの低減
・絶縁膜、保護膜、金属部分の安定性
・応力発生等に対応する高度な熱設計
・コスト低減
などの課題がある。