商品設計
物価連動債は、インフレ進行の際に、それに応じて利金・元本を増やす点にある。
逆にデフレになると需要が減退する。
実際、リーマン危機時のデフレでは需要が減退し、買入れ消却が行われた。
これに対応するため、2013年発行17回債以降、元本についてフロアが付き、リオープン制になった。
他のデータソース
日本相互証券:
10年利回り・BEIのグラフあり。
発行の目的
服部孝洋 東大教授「物価連動国債入門ー基礎編ー」:
「先進国では物価連動国債の発行が普及していることに加え、物価連動国債の発行により期待インフレ率の測定が可能になることなどがあります。」
つまり、インフレヘッジ手段の提供とともに、実質金利の実測値を与えることでブレークイーブン・インフレ率(BEI)の計算が可能になるということ。
「物価連動国債入札-発展編」:
米・独・仏でも元本保証があること、GPIF・日銀も保有していることが言及されている。
価格と取引方法
(1)売買の方法
発行時における当初元本(連動係数を考慮しないもの)をベースに売買を行うものとする。
(2)約定単価
発行時における当初元本(連動係数を考慮しないもの)をベースとした額面 100 円あたりの単価にて約定を行うものとする。
物価連動債は「実質価格」で取引されます。実質価格はインフレの上昇がないという想定下での債券価格と考えられ、売買の決済時には、実質価格にインデックス・レシオを乗じ、インフレ上昇分を加算して決済されます。
日銀国債売買等関係事務の[参考]sankou.doc:
P.5 価格
P.6 経過利子
連動係数は「取引実行日における連動係数」
その他、債券の基本
入札時決済日
債務管理リポート2020 P.62:
かつてはT+3
T+2化: 2012年4月23日
T+1化: 2018年5月1日
財務省入札のタイムテーブル:
発行日に代金払込が行われている。
(ただし、発行利回りは単利表示であるし、そもそも流通利回りに関わるものではない。)
(参考)推計方法の例
日本相互証券 「BB国債価格(引値)算出方針」:
10年物価連動債利回り算出について説明あり。
複利計算。
BEIをまず求め、ペア債から差し引く。