貨幣発行益, seigniorage

通貨発行益とも言う。
通貨を発行すると、その製造コストと通貨の額面との差額が発行者の利益となること。

政府の発行する硬貨については、製造コストと硬貨の額面との差額が利益額となることは容易に理解できよう。
一方、中央銀行の発行する紙幣については、少々話が異なってくる。

中央銀行が紙幣を発行し、市中銀行に引き渡す場合、中央銀行はなんらかの対価を市中銀行から受け取ることになる。
代表的なのは、紙幣の額面の総額と等価の国債である。
 中央銀行は発行した紙幣に対して利子を払うことはない。
 一方、受け取った国債等からは利子や償還元本からのキャッシュインが得られる。
つまり、中央銀行は、受け取った国債等から得られる利益を毎期、貨幣発行益として得ているわけである。

ちなみに、発行時には紙幣のコストがキャッシュ・アウトする。
このようなキャッシュフローを現在価値に割り引いてみると、

 紙幣の貨幣発行益 = PV(受け取った国債等からのキャッシュ・イン) – PV(紙幣のコスト)
  = 国債等の時価 – 紙幣のコスト
  = 紙幣額面の総額 – 紙幣のコスト

となり、硬貨と同じであることがわかる。