【グラフ】「リスク・オフの円安」その後

先週、日本が少しざわめいた「リスク・オフの円安」だが、その後の展開は、指摘したとおり、ナラティブ転換を肯定していない。

S&P 500指数は20-21日と連続して下落した。
仮に世間が騒いだとおり「リスク・オフの円安」に転換したのなら、ここでも円安に進むはずだ。
どうだったか。

ドル円とS&P 500指数
ドル円とS&P 500指数

ドル円とS&P 500はやはり同期していると見るべきではないか。
仮にS&P 500が市場のリスク選好を反映するなら、リスク・オフの円高が進んでいる。
つまり、ナラティブ転換を示す動きとは言えない。

「リスク・オフの通貨安」とは、財政・金融当局、そして投資家がリスク・シナリオとして意識すべきアイテムだとは思う。
しかし、今はまだそれは起こっていないように見える。
今後、米市場が大きく崩れるような時がきて、それでも円安が進むなら、その時は大いに心配すべきなのだろう。