【数字】日米株式の魅力度を冷静に見直すと・・・

最近さかんに日本株の割安感をアピールする人が増えている。
セル・サイドに多い意見だが、決して裏付けがないわけではない。

アスワス・ダモダラン ニューヨーク大学教授は、継続的に国別の株式リスクプレミアム、リスクフリー金利、株式の期待リターン等をアップデートしてくれている。
その教授が4日、こんなツイートをした。

3年連続で米国株はすごいリターンを上げた。
(昨年)S&P 500の投資家は28.47%のリターンを得た。

なるほど、この数年米国株はブル派ですら出来過ぎというほど絶好調だ。
このツイートにはグラフがついている。

このグラフはCAPMの時系列を見たもの。
 青: 長期金利(リスクフリー金利の代用)
 赤: 株式リスクプレミアム。
 青+赤: 株式の期待リターン

赤は過去の水準から大きく逸脱していない。
青はかなり低い。
結果、(青+赤)もかなり低い。

2022年は4.24%の株式リスクプレミアム(平常の範囲内)で始まった。
しかし、長期の年あたり期待リターンはわずか5.75%(史上最低に近い)だ。

6%を切ってきた期待リターンをどう見るか。
日本の投資家にはそれでも十分という人も多いかもしれない。
しかし、冷静になって考えると、瞬間風速とはいえ、現在の米インフレはそれを超えつつある。
株式のリスクをとってもインフレ分さえ受け取れないかもしれないのだ。

さて、日本株はどうか。
ダモダラン教授による日本株のリスクプレミアムは昨年11月で5%弱だった。
これに長期金利ゼロ%を足すと、期待リターンは5%弱。
インフレ率1%弱をゆうに上回っている。

読者はこれをどう考えるだろう。


山田泰史山田 泰史
横浜銀行、クレディスイスファーストボストン、みずほ証券、投資ファンド、電機メーカーを経て浜町SCI調査部所属。東京大学理学部化学科卒、同大学院理学系研究科修了 理学修士、ミシガン大学修士課程修了 MBA、公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。

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