【書評】日本経済が何をやってもダメな本当の理由

ニッセイ基礎研究所の櫨浩一専務理事による日本経済への指針の本。
氏は経済企画庁などを経て現職にあり、本書は2011年6月に出版されている。

本書の内容は極めてオーソドックスなものだ。
にもかかわらず、オーソドックスな本書が書かれなければならなかったのか。
それは、あまりにも世の中に、特に日本の指導者層の中に、経済・産業を誤って
俯瞰している人が多いからだろう。
今、日本で何が起こっているのか正確に知りたい人にはお奨めしたい良書だ。

一方、難点を言えば提言の面での底の浅さにあろう。
 ・弱者は淘汰され、他産業へ資源が配分されるべき
 ・サービス化、とりわけ金融立国が一つの選択肢
というのは正論ではある。
しかし、同時に、人類の目的を人の幸せではなく、経済に置いているともとられ
かねないし、第2、第3のリーマン危機を引き起こしかねない。
具体的な人的資本の流動化策・経済振興策なくしては、感情的な反発を逃れ得まい。