【書評】河野龍太郎氏 『円安再生』

膠着的なゲームのルール

疑問はいくらでもある。

  • GDPはは増えないといけないのか
  • GDPは国民の幸福を担保する最良の指標なのか
  • GDPは円建てで増加すればOKなのか
  • 量的緩和やマイナス金利や期待に働きかける政策は本当にインフレを生むのか
  • 金融・財政政策は期間を通した平均水準を押し上げてくれるのか
  • 最高の経済学者なら本当にマイルド・インフレーションを実現できるのか

上記のうちいくつかは現実的な問題だし、いくつかは本質を問い直す疑問だ。
しかし、多くの場合、こうした点が《所与の条件》とされて、問われないのである。
最近、経済学者やエコノミストという人たちの話に中身がなくなったと感じるのは気のせいだろうか。

世の中よくなりそうにないという商機

最高の経済学者が経営に参画してもLTCMは破綻した。
きちんと稼いだ後に破綻したのだから、民間企業としてはそれでいいのだろう。
ヘッジ・ファンドが大きな市場変動で破綻しうるのは教科書通りの現象でもある。
しかし、国の経済とはそういうものではない。
そうした痛みを理解できているかどうかわからない学者、役人、政治家が主導し続けるところに不安が募る。
一方、実業界と言えば、我田引水することを責務としてしまっている。

世の中あまりいい方向に進みそうにない。
投資家とすれば、それこそ次の投資のテーマである。

(出典)
1) 河野龍太郎 (2003), 「円安再生」, 東洋経済新報社
2) 河野龍太郎, Reuters (2013), 「日本経済「慢心の2年」への危険な兆候」, http://jp.reuters.com/article/tk0605533-forexforum-ryutarokono-idJPTYE91302520130204 (参照3/7/2016)