【書評】株式市場の本当の話 by 前田昌孝

『株式市場の本当の話』は、日本経済新聞編集委員 前田昌孝氏による、株式投資にかかわる広範な話題を集めた本。

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ある意味、このタイトルは中身をよく表している。
株式投資についても多くの紙面を割いているが、むしろ株式市場にスポットライトを当てた構成になっている。
投資にかかわる話題ではファクトに基づく議論がなされているが、本ブログやFPの読者からすると、薄々気づいていたことや、知っても驚かないことが多いかもしれない。

株式市場については、政府、日銀、GPIF、証券取引所、機関投資家、発行体など、テーマでいえば、投資リターン、老後問題、ETF買い、貸株停止、ESG等々が論じられている。
意思決定者・権力に対して媚びることなく、建設的な範囲で批判的に論じているところがとても良い。
とかく強い者に媚びたがるメディアが多い中で、少し安心させてくれるところがある。

この本はあまり売れないかもしれないが、心意気を大いに買いたい。
主張のすべてに賛同するわけではないが、考えが近いところが多くあることも言い添えておこう。